『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』についての感想(ネタバレ有り)

公開前から見よう見ようと思いつつ、結局封切りから1ヶ月以上経ってやっと『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を見てきました。

備忘録の意味も兼ねて、感想を少し述べたいと思います。以下ネタバレ有り、思いついたまま書き連ねた乱文になるかと思いますのでご了承ください。

 

1.カイロ・レンについて

 前作で出生の秘密について触れられたカイロ・レンですが、今作では彼が何故ダークサイドに堕ちてしまったのかが語られました。といっても、6割くらいはスノークの影響、4割はルークがいらん誤解を招いたせいなんですが。ルークはちょっとした行き違いなんだよ、みたいな言い方してましたけど、夜中に目が覚めてライトセーバー持った師が枕元立ってるのに気付いたら誰だってキレる。

スノークに面と向かって「メンタルクソザココスプレ野郎」みたいに言われててちょっと笑っちゃったんですけど、やってる事は割と祖父であるダース・ベイダーの事跡をなぞってるんですよね。主人公と敵対しつつも仲間になれと勧誘し、自らの師が手を下そうとすれば土壇場で裏切って助けに入る。ただ、「アナキン・スカイウォーカーとして死ぬ事を選んだ」ダース・ベイダーと、「カイロ・レンとして生きる事を選んだ」ベン・ソロという真逆の道を進む事になったので、次作でどういう結末を迎えるのか予想が付かず楽しみです。

レイとの間の共感、反目、共闘、決別というくっついたり離れたりなやり取りもそこそこ楽しめました。というより、この映画の6割はそこにあるんじゃない?という気もしています。

 

2.ルークについて

ルーク役のマーク・ハミルも色々言ってたそうですけど、「ルーク・スカイウォーカーってこんな人間だったっけ?」という違和感がずっと付きまとっていました。弟子の育成に失敗してとんでもない事態を引き起こしちゃった、という負い目は分かるんですけど、それでもあんな偏屈老人みたいになるのかなぁと。

霊体として現れたヨーダとのやり取りには旧作っぽさを感じ、CGがEP5~6のパペット風なのも相まってちょっと感動して泣きそうになりました。でもこれルークじゃなくてヨーダに感動してるだけだな。

 

3.ポー・ダメロンについて

多分今作で1番がっかりしたのはこの人についてだと思います。前作だと凄腕のパイロットかつ優秀な前線指揮官という感じだったのに、今作では独断専行を繰り返しては事態を悪化させていくダメな奴という印象しか残りませんでした。

最初のファースト・オーダーとの艦隊戦では無茶な攻撃作戦で自軍に多大な損害をもたらし、責任を問われて降格されると超不満げ、おまけに反りの合わない上官に反発して勝手な作戦行動を採り、あまつさえ味方に武器を向けて軍事クーデター紛いの事まで起こす始末。俺こんな反乱軍見たくなかったよ。

「俺の作戦のお陰でドレッドノート(敵の主力艦)を落とせたんだぞ!」って主張してましたけど、作戦中に味方の損害が大きくなった時に撤退しろって指示してるんですよねこの人。惑星クレイトでの戦いでも最終的にビビって作戦中止しようとしてたし、上官とのホウレンソウが出来なかったせいで余計な被害が出てしまうし(これは上官も悪いんだけど)、なんでここまでダメ軍人の見本みたいなデバフをされちゃったんでしょうか。次回作ではまっとうに活躍してもらいたいです。

 

4.フィンとローズについて

レイが旅に出ている間、フィンの新たなバディとして登場したローズですが、最後に採った行動を除けば悪いキャラではないと思いました。その最後の行動でマイナス80点くらいになるんですが。

「憎い敵を倒すのではなく、愛する人を守る」という思想はいいんですけど、あんな事したって無防備な状態で敵の眼前にフィンが放り出されるだけですし、敵の兵器も破壊出来てないから事態は全く好転しないまま、ただフィンの覚悟をふいにしただけに終わってしまった。そこから急にキスシーンとか入れられても…

フィンはフィンで、レイとローズのどっち選ぶんだお前この野郎と言いたくなるラストだったので、次回作でしっかり決着してもらいたいです。

 

5.その他

カイロ・レンの「ジェダイもシスも、共和国も帝国も、古きものは皆滅びるのだ」というようなセリフ、最初は「旧シリーズとはこの作品で決別しますよ」という制作側からのメッセージなのかなと受け取って、「お前そう言ってるくせしてバリバリに旧作からのオマージュやってるやんけ」なんて変に腹を立てたりもしたんですが、別にそういう意図は込められてないんでしょうかね。そういうの抜きにしても露骨なオマージュばっかりでちょっと気にはなりましたが。

前作と大分雰囲気が変わったように感じられて、何故かと思って調べてみたら、監督がJ・J・エイブラムスからライアン・ジョンソンに変わってたんですね。前作は「J・J・エイブラムスだ!でもスター・ウォーズだ!」という感じに上手く2つの個性が混ざり合っていて、新しい世代のスター・ウォーズが始まるんだというワクワク感に溢れていたんですが、なんだか今作は「これ本当にスター・ウォーズ?」と言いたくなるような、そんな微妙な空気に終始包まれていました。次回作はまたエイブラムス監督になるようですが、果たして。

 

6.まとめ

上に書いてある内の8割ぐらいネガキャンじゃねーかと言われても仕方無いような内容になってしまいました。総括すると、「粗に思える部分や不満な点が散見されたが、部分的には楽しめたし、次回作には期待している」というのが嘘偽らざる感想です。

とにもかくにも新3部作の完結編たるEP9が待ち遠しい。次こそは公開日に見に行ってみたいものです。